オーディション決勝で野性爆弾と戦うも30対0の大敗北で引退。その後、4年間のニート生活、7ヵ月の家電販売員生活を経て、25年来の幼なじみと起業。創業以来18年連続増収増益、年商140億円、Financial Timesが選定する「急成長企業未上場日本一」、ベストベンチャー100、経済産業省認定「地域未来牽引企業」などに選定された、スプリーブ(Suprieve)ホールディングスをご存じだろうか。社長は4年間、お笑い芸人として活動した森武司氏。
急成長の一因に、話題のベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』(木下勝寿著)の存在があったという。今回も同書の「やる気に頼らず楽しみながらできる」45法則のうち、森社長が「これは効いた」「とにかく沁みた」と大絶賛する10の法則をピックアップして紹介。6回目は、年商140億円を突破した大逆転の秘密に迫ろう。(構成:橋本淳司)

高卒、芸人クビ、ニートだった僕が年商140億円の会社をつくれた理由

男性の得意な仕事、
女性の得意な仕事

――森さんは、お笑い芸人を引退をされた後、4年間のニート生活、7ヵ月の家電販売員生活を経て、2005年に現在の会社の元となる「わくわくエッサ有限会社」を設立されています。

 創業からすべての新規事業を企画立案しつつ、全事業の戦略、幹部人材の採用をおもに担当されてきました。

 多くの人材と接する中で、「会社をつくるのに異性の力が必要不可欠」と言われるのはなぜでしょうか?

森武司(以下、森):木下さんは『時間最短化、成果最大化の法則』の「異性のスーパーパワーを活用する法則」で一般論として男性と女性では強み、弱みが異なると言っています。

 強み弱みが異なるからこそ、異性の長所を活かせると相乗効果を上げることができる、と。

 男性は「人に尋ねる」ことが苦手で電話などの直接コミュニケーションを避ける傾向があり、一つのことに集中するのは得意だが、複数のことを同時並行で進めるのは苦手な人が多い。

 一方、女性はコミュニケーション能力は高いが、物事を論理的に整理したり、数字の裏づけをとったりするのをめんどうくさいと感じる人がいる、と。

 男性と女性で得意な分野が違うというのはまったく同感です。

 だからこそチームには異性の力が必要なんです。

――森さん自身は、男性の得意な仕事、女性の得意な仕事について、どう考えていますか。

森:木下さんは「業務によっては女性のほうが圧倒的に戦力になる」と言われていますが、私も一般的に女性のほうが一つひとつの業務能力は高いと思っています。

 とくに他者のサポート、心のケアなどは女性が向いているのではないでしょうか。

――男性はどうでしょうか?

森:シェアを拡大する、営業利益を上げる、エリアの人数を増やすなど、数字を伸ばす、競争するという要素が入ると男性は力を発揮する傾向にある気がします。

大きな仕事のために
人生をかける気持ち

――女性のほうが全体的には能力が高いという印象ですか?

森:そうですね。仕事の真面目さ、努力を積み上げる力、人間関係を継続させる力などは女性のほうが上だと思います。

 ただ、私のこれまでの経験で男性のほうが向いている部分があります。

 それは覚悟の強さです。

 この仕事のために人生をかけるという部分は、男性のほうが強いという印象です。あくまでも私がこの18年、経営の最前線で抱いた感想ですが。

――この18年、どのようなことがあったのでしょう?

森:命がけの大義を成し遂げる人は男性のほうが多い気はしています。

 たとえば、「この会社の事業を任せる。従業員100人つけるから、絶対に雇用を守ってくれ」と言ったときに頑張れるのはどちらかといえば男性かなと思います。

 女性にこの能力がないというわけではないのですが、女性に任せたとき、パートナーの転勤に伴い引っ越さざるをえない、介護、妊娠、出産などで予定の時期までに職場に戻れないということもありました。

 これは能力云々ではなく、日本の女性の働き方の問題に関係していると思います。

 男性の家事や育児の参加が叫ばれても、やはり女性に依存している部分が多いでしょう。

一流のビジネスパーソンは
本能を超える

森:ただ、木下さんがおっしゃっているように、男性の一流ビジネスパーソンはきめ細やかな感性を持っている人が多いですし、人に聞くのもうまく、同時並行で仕事を進められます。

 また、女性の一流ビジネスパーソンは論理思考で判断し、数字の裏づけをとって報告できます。

 男女とも一流の人は自分の本能を理解し、自分をコントロールして克服すべき部分は克服する「克己心」を持っているというのはそのとおりだと思います。

 木下さんの書籍を拝読してみて改めて、18年連続増収増益、年商140億円の会社に育ってきた背景には、まさに「異性のスーパーパワーを活用する法則」がイキイキと根づいていたと思いました。男性だけの力でもない。女性だけの力でもない。異性が互いに切磋琢磨し、助け合ってきたからこそ今があります。

 これからも女性のリーダーの誕生を期待していますし、一緒に仕事をしたいと思っています。

時間最短化・成果最大化の法則』は共感するところが多く、新入社員や若い人たちからベテラン社員、社長まであらゆる人たちに読んでほしいです。

 とくに、「異性のスーパーパワーを活用する法則」をこのタイミングで熟読しておくと、今後の伸びが劇的に変わってきます。極めて重要な法則ですので、本書で詳しく学んでみてください

【著者プロフィール】
森 武司(Takeshi Mori)
スプリーブ(Suprieve)ホールディングス代表取締役CEO
Financial Times「急成長企業 未上場 日本一」
「ベストベンチャー100」受賞
経済産業省認定「地域未来牽引企業」
創業以来18年連続増収増益
1977年大阪生まれ。高校卒業後、NSC吉本総合芸能学院入学。4年間お笑い芸人として活動しオーディション決勝で野性爆弾と戦うも30対0の大敗北で引退。ショックを受け、そのまま4年間ニートとなる。長期間のニート生活から就職が難航。苦難の末に入った家電量販店で販売員をするも7ヵ月で退職。それを機に幼稚園から小中高と幼なじみで25年来の友人を誘い起業(わくわくエッサ有限会社)。金なし、コネなし、高卒、4年間ニート生活など、いわゆる社会的弱者ながらゼロから起業(2005年)。現在、13事業で年商140億円まで伸ばしている。採用基準に“友達になれそうな人”を掲げ、新卒社員を1年で1000名採用。化粧品、人材派遣、広告代理店、美容、ART、YouTubeなど関連のない13事業すべてを黒字化するまで育てるマーケティング戦略に注目が集まっている。何も持たない負け組でも、25年来の仲間と起業して成功できる“仲間力アップマニュアル”を再現性のある形で確立。幼稚園から40年来の友達が役員。