和風のオートミール写真はイメージです Photo:PIXTA

ここ数年、健康食品やダイエットにいいなどと話題に上ることが多い「オートミール」。しかし、明治や大正、昭和時代から日本にも愛好家がいたことをご存じでしょうか。実は古くて新しい食材、オートミール。本記事では、普段料理をあまりしない人でも5分以内で簡単に作れるレシピを三つ紹介。「口に合わなかった」「日本の食生活にはなじまない」と思っていた人も、試してみたら手軽においしく食べられるはずです。(アステル/ライター・認定NPO法人職員 てらこ)

夏目漱石も好んで食べたオートミール

「麦の御粥(おかゆ)みたいなもので我輩は大好きだ」

 夏目漱石が自身の英国留学中に記した手紙『倫敦消息』に、このような一文があります。漱石が「大好きだ」というこの食べ物こそ、オートミールでした。

 漱石は手紙の中で、砂糖を加えたオートミールのおいしさを絶賛し、後に小説家として成功した際にも「粥も旨い。ビスケットも旨い。オートミールも旨い」と日記に記しているほどのオートミール愛好者でした。

 さらには、昭和天皇も毎日の朝食にオートミールを取り入れ、半熟の卵や季節の果物と一緒に食べていたという記録も残っています(入江元彦『天皇の人生』)。