例えばGoogleに「脂肪」「燃焼」「食品」などの検索ワードを入力すると、「賢く食べて減量しましょう」などと謳(うた)うダイエット記事が次から次へと出てきます。「カロリーゼロの食材」や「代謝を上げる食品」などの、分かるような分からないようなキーワードと並び、「脂肪を燃焼させる食べ物」もまた耳触りが良い響きから、よく目にするフレーズです。そこに悪意が隠れているとは思えないキーワードでもありますが、時に誤解を招きかねない言葉であることも理解しておきましょう。
そこで今回は、そのあたりの情報をきちんと整理することを目指します。
「脂肪を燃焼させる食べ物」とは何か?
厳密に言えば、脂肪を燃焼させる食品など存在しません。カロリーゼロ食品も、マイナスカロリー食品も同様です。
食べ物はそれがいかなる物であれ、口に運べばカロリーとして加算されるもの。例えばセロリ。「消化に必要なエネルギー量」が「摂取カロリー量を上回る」という理由を掲げ、セロリを「マイナスカロリー食品」などと主張する人も少なくありません。
ですが、これはバカバカしいにもほどがあります。
また、「脂肪を燃焼させる食べ物」という表現を額面通りに受け取ってしまえば、「その特定の食品だけ摂ってさえいれば脂肪がどんどん燃焼していく」というようなイメージが湧(わ)くでしょう。これもまたしかり…。
仮にバターだけを摂取するとしたら、身体はバターに含まれる脂質だけを燃料として体内でエネルギーを燃やすことになります。従ってこの場合、(上述のものさしではかれば)バターがまさしく「脂肪を燃焼させる食べ物」と分類されることになるでしょう。バターと言えば、高カロリーで飽和脂肪酸も多く含んでいますので、この例え話を真に受けて「バターだけを食べればいいんだ」などと誤解しないようにしてください。体重が減るどころの話ではありませんので。