中国発コーヒーチェーンの注目株、ラッキンコーヒー
今年6月、支店開設数が1万を突破し、とうとう店舗数でそのスターバックスを追い越したと大きな話題を振りまいたのが、「瑞幸珈琲 luckin coffee」(以下、ラッキンコーヒー)である。
ラッキンコーヒーは、2017年に全オンライン経由のオーダー、受け取りシステムを導入して創業し注目され、半年で500万杯を売り上げたとされる。さらにわずか1年4カ月で、中国のインターネット企業としては創業から最短期間で米国ナスダックに上場したことでも話題になった。だが、その直後の2020年初めに粉飾決算を行っていたことが暴露され、あっという間に上場廃止となった。
その後、ラッキンコーヒーはトップをすげ替え、再建を進めた。その再建期間が、コロナ感染拡大期と重なったことが、幸運につながった。というのも、厳しいコロナ対策であのスターバックスですらマイナス成長を計上し、運営に苦しむ中、ラッキンは着々と借金を返済し、再建への道を歩み続けることができたからだ。
また、スターバックスを苦しめたのは、その出店先が大型モールや一等地の高級ビルの店舗だったことも理由だった。一方でラッキンコーヒーの店舗はテイクアウト中心の小さな店舗ばかりで、この違いがコロナ後の急速な営業拡大に大きく影響した。