前モデルの「X3」はトップチューブ(ハンドル部分とサドル部分をつなぐパイプ)が水平だったが、新型「A5」は後ろ下がりとなり、より乗り降りしやすく街乗りに向いた仕様となった。価格は両モデルとも31万5000円で、前モデルからは2万円高くなっている。

VanMoof「A5」
VanMoof「A5」

両機種ともフロントタイヤのハブ部分にパワフルなモーターが組み込まれており、電動アシスト自転車として上限の時速24キロメートルまでペダルをアシストしてくれる。ハンドルには「ターボブースト」ボタンがついており、これを押している間は一時的にアシストが強まり、爽快な加速ができる。1回の充電で走行できる距離はS5が60〜150キロメートル、A5が55〜140キロメートルとなっている。

スマートフォンと連携した未来的な「コネクテッド」自転車

VanMoofのeバイクの特徴は、ヘッドライトやリヤライト、ロック、バッテリーといったパーツ類がすべてフレームに組み込まれ、一体化されていること。これがすっきりしたデザインにひと役買っている。チェーンもケースに覆われており、頻繁なメンテナンスは必要ない。変速機はなんとオートマチックで、設定した速度になると自動的に変速する。

コネクテッド機能、つまりスマートフォンとの連携も特徴のひとつだ。専用アプリを使って警笛の音色やアシストの強さ、自動変速のタイミングなどを自由に変更したりできる。走行距離や走行時間、速度といったデータもアプリを使って確認できる。最新モデルではハンドル中央にスマートフォンをマウントし、走行距離やバッテリー残量などを見られるようになった。

VanMoofの専用アプリのイメージ
VanMoofの専用アプリのイメージ

ロックもスマートフォンと連動している。後輪部分に設置された「キックロック」と呼ばれるボタンを“キック”するだけで施錠でき、解錠時はアプリで解錠ボタンをタップするか、アプリを接続した状態で警笛ボタンを押せばOKだ。さらに最新モデルでは、スマートフォンを持って近づくだけで解錠されるようになった。

アプリによるロック解除のイメージ
アプリによるロック解除のイメージ

後輪をロックするだけでは心もとないと思うかもしれないが、そこがVanMoofのユニークなところ。テクノロジーを使った盗難防止システムが組み込まれている。ロック中に自転車を動かそうとすると、内蔵の加速度センサーがそれを検知して音と光で警告。同時にスマホアプリに通知が届く。それでも盗まれてしまった場合は通信機能を利用して位置情報が追跡できる。2021年4月にはアップルの「探す(FindMy)」機能にいち早く対応し、4月以降に販売された機体はMacやiPhoneなどの「探す」アプリを使って見つけられるようになった。