40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格#17Photo:PIXTA

生成AIの進化によって淘汰される職業の上位に、難関士業が挙げられることが少なくない。実際の士業たちはどう感じているのか?特集『40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格』(全17回)の最終回では、士業コンサルタント、横須賀輝尚氏の協力で、行政書士や司法書士、税理士、社労士、弁護士など現役士業75人にAI脅威度や年収のアンケートを実施。その結果を公開する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

生成AIが難関士業を滅ぼす?
資格取得は今後2年が勝負

「大前提として、生成AIの登場と進化によって、2~3年先さえどうなるのか誰も分からない時代に突入した。これから資格を取るならば、できれば2年以内に取得のめどを付け、一刻も早く独立開業できる経験を積むという“短期決戦”の覚悟を持った方がいい」

 そう助言するのは、特定行政書士で士業へのコンサルティング経験が豊富なパワーコンテンツジャパン代表取締役の横須賀輝尚氏だ。

 生成AIに淘汰される職業ランキングの常連の一つが、弁護士や会計士などの士業だ。なぜなら士業の根本的な業務は「代行」にあるからだ。顧客の代わりに書類を作成して提出する、という士業の定型業務は今後、生成AIに取って代わられる可能性が高いとみられている。実際、「生成AI元年」となった2023年以降、そんな士業のお株を奪うような生成AIサービスが次々と登場している。

「例えば、行政書士などが提出する、ある申請書類の場合、これまで顧客のヒアリングから書類作成まで20時間以上かかっていたが、生成AIを使うことで従来の20分の1ほどの時間で8割以上の申請書類が完成する。また弁護士でも、法律のリサーチや事例調査の業務など、人力で数時間かかっていた作業が生成AIにより数分間で該当条文も判例も出てくるようになっている」と、横須賀氏は言う。

 無論、現状の生成AIプロダクトはあくまで士業向けにとどまっている。だが、それでも生成AIの活用度が受けられる案件の数に直結するため、すでに同じ士業の間で収入格差が生じ始めているという。

 次ページでは、横須賀氏の協力の下、弁護士や公認会計士、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士など八つの士業に絡む生成AIサービスを具体的に紹介するとともに、士業ごとに将来的な生成AIの進化による「市場食われ度」を独自判定する。

 さらに、現役士業75人に「生成AIの脅威度」について、現在の「年収」と共にアンケートを実施した。これから資格取得を目指す人にとって、先輩士業の“リアル”は参考になるはずだ。