コレステロールをいきなり下げる「すごい飲み物」とは?
人生100年時代は、健康こそ最大の資産です。しかし40歳を越えると、がん、糖尿病、腎臓病といった病気を避けては通れません。国立がん研究センターによれば、40~49歳のがん患者数は、30~39歳と比べると3倍以上です(2020年)。もちろん50代、60代と年齢を重ねるにつれ、がん患者数はどんどん増えていきます。
本連載は、毎日の食事から、大病を患ったあとのリハビリまで、病気の「予防」「早期発見」「再発予防」を学ぶものです。著者は、産業医×内科医の森勇磨氏。初の単著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を出版し、感染症医・神戸大学教授の岩田健太郎氏が「安心して読める健康の教科書」と推薦文を寄せています。出版を記念し、内容の一部を特別に公開します。
コレステロールをいきなり下げる「すごい飲み物」
昼食や夕食時、そして就寝前などは何を飲めばいいのでしょうか。
オススメは「緑茶」と「ウーロン茶」です。紅茶や緑茶、ウーロン茶はツバキ科の「カメリアシネンシス」と呼ばれる茶の樹からできており、違いは「発酵度」だけです。
緑茶、ウーロン茶、紅茶の違い
緑茶は発酵させていない「無発酵茶」、ウーロン茶は中間程度に発酵させた「半発酵茶」、紅茶は100%発酵させた「全発酵茶」です。どれも抗酸化作用があるといわれるポリフェノールの一種である「カテキン」を多く含んでいます。そして、さまざまな研究データが緑茶やウーロン茶の健康効果を示
しています。
緑茶には、悪玉コレステロールのLDLコレステロールを下げる効果があります(※1)。ウーロン茶に関しては対象者が22人と小規模ではあるものの、1日1ℓウーロン茶を飲む習慣を1か月続けた結果、糖尿病の指標であるHbA1cが低下し、「アディポネクチン」というホルモンが増加したというデータも存在します。
万能ホルモンを味方につける
アディポネクチンは、血管の傷を修復したり、血管を広げたり、体にインスリンを効きやすくしたりします。「生活習慣病」全般に効く非常に重要なホルモンです。
また約7万7000人の日本人を対象に、飲み物と心臓病との関連を調査した研究では、「緑茶とウーロン茶を飲む習慣のあった人は、そうでない人と比べて心臓病での死亡率が低かった」というデータがあります(※2)。別の研究も見ていきましょう。