米ウェブメディア「INSIDER」は「Twitter関係者はイーロン・マスク氏の買収に伴う大量退職が発生する可能性が高いと話す、全てマスク氏の責任だ(Twitter insiders say an 'exodus' is likely to follow Elon Musk's takeover: 'It's all about Elon')」という記事で、Twitter関係者への取材をもとに、マスク氏の方針に共鳴しない従業員による集団退職の可能性について報じている。

取材に応じた元幹部は、「マスク氏の衝動的なリーダーシップスタイル、物議を醸す物言い、後先考えない脊椎反射的な行動」などが懸念材料だと証言している。

「言論の自由絶対主義者」を自称するマスク氏に懐疑的

「言論の自由絶対主義者」を自称し、買収合意の発表でも、「言論の自由は機能する民主主義の礎石で、Twitterは人類の未来に不可欠な事柄が議論されるデジタルの町広場だ」と表明したマスク氏。だが、多くの海外メディアはそう話すマスク氏に懐疑的なスタンスだ。

米経済メディア「CNBC」は「イーロン・マスク氏は言論の自由を望んでいるというが、彼の実績はそうではないことを示唆している(Elon Musk says he wants free speech, but his track record suggests otherwise)」という記事において、マスク氏の言う言論の自由は主に彼自身、あるいは彼のファンやプロモーターの言論にのみ適応されそうだ、と論じた。

同記事では他にも、「マスク氏は従業員の言論の自由に関して、ほとんど寛容さを示さない」「マスク氏は、ジャーナリスト、ブロガー、アナリスト、その他の研究者が、自身のビジネス、製品、そして自身について語る際に、その内容をコントロールすることを繰り返し求めてきた」などと言及している。

一方で、マスク氏に期待を寄せるジャーナリストもいる。米新聞社「The New York Times」のポッドキャスト「Sway」でホストを務める、ベテランジャーナリストのカーラ・スウィッシャー氏は米ウェブメディア「Intelligencer」との取材で、マスク氏について「この世界では誰もが馬鹿げたものを作っていますが、彼はそうではありません。車、ロケット、ソーラー。これらは世の中にとってとても重要なものです」と語っている。

マスク氏による買収プロセスが年内にも完了し、非上場化が行われるであろうTwitter。ロイター通信によれば、マスク氏は買収が完了すれば、現Twitter CEOのパラグ・アグラワル氏に変わる新たなCEOを任命予定だという。