この10年間、日本のIT・スタートアップエコシステムにおいて、もっとも飛躍した企業の1つ、メルカリ。2013年に誕生したフリマアプリは後発ながら躍進し、2018年には東証マザーズ市場への上場を果たした。4月4日にスタートした新市場区分ではグロース市場から最上位のプライム市場へ変更を申請。循環型社会のプラットフォームを目指して事業領域を拡大しながら成長を続けている。
4月26日にDIAMOND SIGNALが開催した「SIGNAL AWARD 2022」では、そのメルカリの創業者であり、代表取締役社長 CEOを務める山田進太郎氏がキーノートセッションに登壇。自身の挑戦者としての軌跡、次に挑戦する人々へのヒントをたっぷり語ってくれた(聞き手はDIAMOND SIGNAL編集長 岩本有平)。
世界への挑戦はまだ始まったばかり
──メルカリ創業からまもなく9年。当初は競合サービスが先行する中でプロダクトを生み出し、そこから大きく成長して、今は循環型社会をうたうプラットフォームになったメルカリですが、振り返ってみて今は「山の何合目」にあたりますか。
山にたとえるのは結構難しいですが、感覚的には「本当にまだまだだ」という思いが強いです。メルカリのミッションは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というものです。今、日本ではそこそこ使っていただいていて、USでは知る人ぞ知るぐらいの存在ですが、もっともっといろいろな国で使われていないと「世界的」とは言えません。それがスケールするようになってきたら、(描いていた)道筋の上に乗っているなと思えるかもしれないんですが、まだまだヨーロッパやアジアも含めれば、全然手付かずなので、そういう意味では本当に始まったばかりという感覚です。
──世界を向いてビジネスに挑戦することは、創業時から考えていたのでしょうか。