「スタートアップの上場までの期間も長くなり、調達の回数も増えてきました。レイトステージのラウンドの規模感も大きくなってきています。こうした中、スタートアップの成長をしっかりと支援したいという意思を込めて、この規模感となりました。レイトステージでは、1回のラウンドで50億円、場合によっては100億円近くの投資を実施します」(高宮氏)

本格化する「Web3」の波と「国内巨大市場のDX」に投資

新ファンドの投資領域は大きく分けて2つ。「日本発で世界一を狙える領域」と「国内巨大市場の寡占化を狙えるような領域」だ。

日本発で世界一を狙える領域としてはエンターテインメントやコミュニティ、Web3をテーマに掲げる。これまでバズワードとして語られることが多かったWeb3だが、今ではブロックチェーンやプロトコルにとどまらず、その上に乗るアプリケーション、プロダクトレイヤーが話題の中心になりつつある。本格的に動き出したWeb3領域のスタートアップに対しての投資を進める。

その一方で、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)などによって国内巨大市場の寡占化を狙えるような領域にも積極的な投資を行う。具体的には、自動車、金融、建設、不動産、医療といった、国内の10兆円規模を超える市場を担うスタートアップだ。

「10兆円以上の市場でナンバーワン企業になれば、売上で数兆円、時価総額は1兆円規模になります。スタートアップと大企業が対立するのではなく、連合体として国内の巨大市場をDXし、世界市場にも挑むことができるのではないでしょうか」(高宮氏)

(編集部注:7月5日18時44分)初出時にこれまでパートナーだった福島智史氏と湯浅エムレ秀和氏がジェネラルパートナーになると書いていました。正しくはディレクターだった福島智史氏と湯浅エムレ秀和氏がパートナーになるです。お詫びして訂正します。