ちなみにこのPleasr DAOでは、DAOで所有しているこの一枚の写真を分割することを決めており、オリジナル画像のNFTそのものをスマートコントラクトに送付して、コードの制御化でロックさせることを前提に、このアクセス権を169万ピースに分割した。

これにより執筆時点で7000人ものカボスちゃん分割NFTホルダーが登場することになっている。

このような共同所有というアイデアは、アート作家の世間の評価をコレクター同士で上げていく手法と近く、DAOベースのコミュニティが、ともにアートを保持していく未来に必要な理由になっているのだろう。

5. Protocol DAOs

Protocol DAOは、プロトコルそのものを維持、運用、改良していくためのDAOである。これはプロトコル毎に存在しているDAOであり、例えばDeFi領域でレンディングサービスを提供するAaveのプロトコルを支えるAave DAOなど、直接プロトコルが行うサービス(金融サービスなど)と紐づいたDAOが立ち上げられている。

ガバナンストークンといったイノベーションもこのProtocol DAOの進化の過程で可視化されてきた歴史があり、Protocol DAOはWeb3革命の本丸とも言えるだろう。

6. Service DAOs

Service DAOはソリューションを提供するProtocol DAOに比べて、より明確なサービス全般を提供するDAOといったものであるが、実は明確な定義のある分野ではない。

例えば、DXDAOというDAOでは、DAO主体型のホールディングス企業のようなことを展開している。DXDAOの中で新規事業として、3〜4つの新規のプロトコルを立ち上げて、そのメンテナンスや運営、今後の意思決定をDXDAOというホールディングス側で判断している構図である。

7. Social DAOs

Social DAOはソーシャルトークン(編集部注:コミュニティへの参加権として用いられるトークン)などとも呼ばれる、プロトコルよりコミュニティベースなテーマ設定からDAOとして成長してきた分野である。

例えばFWBというDAOは、有名アーティストや有名クリエイター、著名ファッションブランドの取締役などハイグレードな人脈を共有するオンライングループとして、世界規模のネットワークを提供している。

FWBへの参加は指定のトークン数をマーケットで購入することで誰でも可能であるが、人気に応じてそのトークン価格が向上してしまうことから、参加ハードルが右肩上がりに上昇してしまう可能性がある点は要注意である。