「おいしい!」を味わいながら健康に生きる、長寿地域“ブルーゾーン”の教え(写真はイメージです)Photo:PIXTA

「ウェルビーイング」は、1948年の世界保険機関(WHO)設立の際に考案された憲章で、初めて使われた言葉。「幸福で肉体的、精神的、社会的全てにおいて満たされた状態」をいいます。新しい幸せの形として用いられ、最近さまざまな場面で耳にすることが多くなりました。ウェルビーイングによって私たちの暮らしがどのように豊かになるのかを解説する『ウェルビーイングの新潮流』第6回は、「食と健康」について考えます。

2019年を境に
機能性表示食品の売り上げが変化

 2024年3月に起きた、小林製薬(大阪市)の「紅麹(べにこうじ)」成分入りサプリメントを巡る健康被害問題を受け、機能性表示食品のサプリを買い控える動きが広がっています。

 調査会社インテージがドラッグストアなど約6000店を対象に集計した、4月1日~7日の機能性表示食品のサプリの販売額は8.6億円で、小林製薬が問題のサプリの自主回収を発表した3月22日以前の週間販売額(10.3億円)からは約2割減っています。

 2015年にスタートした機能性表示食品制度は、科学的根拠を基に消費者庁に届け出をすれば食品でも健康機能を訴求できる制度です。これにより多くの商品が登場し市場は成長を続けました。

 サプリメントを含む機能性表示食品の売り上げは、21年の4938億円から22年の6242億円へと約26%伸びています。一方、実際の累積届け出数ベースと売り上げベースで見ると、昔ほどは売れなくなってきています。

 グローバルニュートリショングループの調査によると、機能性表示食品のうち売れているのは販売中の商品の約4%に過ぎません。

 消費者調査によると、機能性表示食品を買わなくなった理由として多くの生活者が挙げていたのが、短期的な症状改善、体重低減などの期待された効果が得られなかったということでした。