政府が11月末に発表した「スタートアップ育成5か年計画(案)」に続くかたちで、与党である自民党と公明党が12月16日、「令和5年度税制改正大綱」を発表した。
この税制改正大綱は「2000兆円におよぶ個人金融資産、500兆円におよぶ企業の内部留保、コロナ前には世界中から3000万人を超える旅行客を呼び込んだ全国津々浦々の地域の資源のポテンシャルを最大限引き出す」という名目のもと、さまざまな切り口での取り組みが盛り込まれている。
また、防衛費の増額を目的に2027年度に1兆円あまりの財源を確保するため、法人税が(中小企業に配慮したうえで)4%から4.5%に引き上げられるほか、所得税は復興特別所得税を1%引き下げたうえで、新たな付加税が1%課される見込みとなっている。
そんな令和5年度税制改正大綱の中には、スタートアップ業界とって大きく関係がありそうな税制改正の取り組みがある。いくつかピックアップして紹介しよう。
政府が掲げる「スタートアップ・エコシステムの抜本的強化」
まず、与党は「令和5年度税制改正大綱」において大きく6つの基本的な考え方を示している。それが「成長と分配の好循環の実現」、「経済のグローバル化・デジタル化・グリーン化への対応」、「地域における活力と安全・安心な暮らしの創造」、「経済社会の構造変化も踏まえた公平で中立的な税制への見直し」、「円滑・適正な納税のための環境整備」、「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置 」というものだ。