また、Musubi Insightは薬歴完了率のような薬剤師の業務状況を表すデータから、売上をはじめとする店舗経営データ、処方箋数や再来率・新患率など患者さんとの関係性を表すデータなどを分析し、薬局業務を可視化。これにより解決すべき課題の発見・把握を効率化し、適正な薬局運営の実現を支援してくれる。
業界の2割の薬局体験を変革していく
改正薬機法の施行を受け、薬局の働き方改革と患者満足の両立を通じた薬局体験向上の支援へと踏み切ったカケハシ。今回調達した資金をもとに人材の採用を推し進め、既存事業の拡大、そして新規事業の創出にも今後取り組んでいく予定だという。
「Musubiをはじめとして、Pocket MusubiとMusubi Insightの3つのサービスを成長させていくことは当然ですが、“患者さんの具合が悪くなってから健康になるまで”の体験の一部だけデジタル化してもDXにならないので、すべての体験をデジタル化していかなければならないと思っています。オンライン服薬指導などもそうですが、今後オンライン化が進んでいくにあたって生じた課題に対して自社でサービスを開発したり、他社と連携したり、いろんな打ち手を出していければと思います」(海老原氏)
また、中川氏は「医療業界を変えていくためには2割の薬局がMusubiを通して考え方や動き方が変わることが必要」と言い、まずは約1万店での薬局体験の向上を目指す。
「個人的には“バッファローモデル”と呼んでいるのですが、バッファローは先頭の2割の集団が動き始めると、全体が動くそうなんです。これは医療業界も同じだと思っていて2割の薬局の考え方や動き方が変わってくると、それが全体に波及していき、業界全体の動きが変わってくると思っています。ですから、まずは1万店の薬局での体験を変えて、日本の医療を次世代へつないでいくエコシステムを構築していければと思います」(中川氏)