「多くの研究現場においては、先行研究を最大限に活用できていないのではないかと考えています」
そう話すのはライフサイエンス分野の研究者を対象とした研究支援サービス「Sophiscope(ソフィスコープ)」を開発するfuku代表取締役の山田涼太氏だ。
Sophiscopeでは世界中に散らばる膨大な数のライフサイエンス論文を整理し、研究者が必要な先行研究に効率的にアクセスできるように手助けをする。自然言語処理と機械学習技術を用いて論文の内容を構造化し、すべての実験条件を同じフォーマットで扱えるようにすることで、さまざまな論文を横断で比較できる仕組みが特徴だ。
第1弾として“がんの移植実験”の領域に絞ったオープンベータ版サービスを10月14日に公開した。このプロダクトを使えば10万件以上の論文を対象に、条件に合った先行研究を迅速かつ高精度で抽出できるという。
山田氏によるとライフサイエンスの研究では予備実験(試薬の量・反応時間など適切な実験条件を調整するための事前に行う実験)にかなりの負担がかかっており、この工程を効率化することがSophiscopeの目的の1つだ。