「群衆(クラウド)」から「資金調達(ファンディング)」を実施するという意味の造語であるクラウドファンディング。日本では「Makuake」や「CAMPFIRE」といったサービスがよく知られている。
Makuakeを運営するマクアケは2019年12月に上場。1月21日には米クラウドファンディング大手のIndiegogoとの提携も発表している。またCAMPFIREは2020年の流通額が200億円を突破するなど、すでに高い知名度を誇るプレーヤー数社がクラウドファンディング市場には存在するが、このタイミングで新たなサービスが誕生しようとしている。1月22日にローンチ予定の「うぶごえ」だ。
うぶごえを運営するうぶごえは1月15日、同社初となるプレスリリースを配信し、「手数料0円」をうたうサービスの概要を公開した。SNS上では新たな門出を祝福する声とともに、「応援できない」、「応援しにくい」といった類いの投稿も見られた。なぜなら、同社は競合でもあるCAMPFIREの出身者を中心に立ち上げられたスタートアップだからだ。
うぶごえ代表取締役社長の岡田一男氏はCAMPFIREの元執行役員として、営業部門と広報部門を統括したほか、グループ会社のCAMPFIRE MUSICの元代表取締役副社長でもある人物。また取締役で最高サービス責任者の三木隆史氏はCAMPFIREでは執行役員 VP of Engineeringを務めていた。
うぶごえのローンチに関する発表を受けて、CAMPFIREは1月18日、異例とも言えるプレスリリースを配信した。内容は「今般、当社に過去在籍していた社員によるクラウドファンディングサービスの立ち上げに関する情報について、CAMPFIREに関連するサービスであるとの一部誤認が生じている状況です。当社及びそのグループ会社は、該当会社との間において資本関係、業務提携等の契約関係、及び人的交流も含め、何ら関係性を有しないものであり、またそのような予定は現時点ではございません」というものだ。