モノづくりにおける「検査・検品」は、品質の高い製品を世に送り出すためには欠かせない重要な工程だ。
その業務は一見単調にも見えるが、瞬時に正常・異常を見分ける“熟練の技術”が求められるため難易度が高い。だからこそ多くの現場では、今でも最終検査のほとんどを人が目視で行う。検査員が8時間立ちっぱなしで「1人あたり1日に数千個」もの製品をチェックすることも珍しくない。
ただ製造業において人手不足が深刻化している昨今では、今までのやり方を続けるには限界がある。「従来は人に依存していた業務をテクノロジーなどを活用しながら、いかに補っていくか」は業界の大きな課題だ。
その解決策として、2012年設立のアダコテックでは独自AIによる「検査・検品の自動化」に取り組んできた。
産業技術総合研究所(産総研)の特許技術を用いた同社のAIの強みは、“少量の正常データのみ”で精度の高い検査モデルを作れること。大量の学習データを集めずともAI活用に着手できる点などが評価され、世界シェア20%を誇る大手自動車部品メーカーをはじめ、10社にサービスを提供している。