Clear代表取締役CEOの生駒龍史氏
Clear代表取締役CEOの生駒龍史氏

最高ランクの商品価格は19万8000円──通常の一升瓶(1800ml)の平均価格は約3000円と言われている日本酒業界において、異例の高価格ながら、快進撃を見せる日本酒スタートアップがある。その企業の名はClear(クリア)だ。

同社は「日本酒の可能性に挑戦し、未知の市場を切り拓く」というミッションのもと、高級日本酒ブランド「SAKE  HUNDRED(サケハンドレッド)」のほか、日本酒専門のウェブメディア「SAKETIMES(サケタイムズ)」を展開している。

日本酒業界はコロナ禍で苦境が続いている。世界最大級の日本酒イベント「にいがた酒の陣」は2年連続で中止が決まったほか、主要取引先である飲食店が休業要請、営業時間短縮の要請によって売上が低下。さらに2021年4月25日から発令された緊急事態宣言には“酒類の提供禁止”が盛り込まれており、多くの酒蔵が重大な影響を受けている。

そうした中、Clearはオンラインで高級日本酒を販売。家飲み需要の伸長、オンラインギフトの需要増加も伴って、売上は右肩上がりで成長している。Clear代表取締役の生駒龍史氏によれば「現在は月商3億円の規模を突破している」という。

そんな急成長中のClearがさらに成長のアクセルを踏んでいく。同社は5月26日、新規引受先であるジャフコグループをリードインべスターとし、既存投資家である三井住友海上キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、Heart Driven Fund、OPENSAUCE、複数の投資家から総額12億9500万円の資金調達を実施したことを明かした。