速度を出せる道路では原付、自転車でないと通れない場所では自転車に切り替える──そんな“ハイブリッドバイク”を公道で利用できる日も間もなくやってくる。和歌山県発スタートアップのglafitが開発・販売する「ハイブリッドバイクGFR(GFR)」が、「車両区分を変化させることができるモビリティ」認定された。
GFR(2017年発売の「GFR-01」および2020年発売の新モデル「GFR-02」)は、ペダル付きの原動機付⾃転⾞だ。スロットルグリップを回して電動バイクとして走行するモードと、ペダルを漕いで自転車として走行するモードの切り替え機能を持つ。
これまでGFRは電動バイク、自転車いずれのモードにおいても原付扱いの通行区部や運転方法を求められていた。だが同社が開発する「モビチェン(モビリティ・カテゴリー・チェンジャー)」という機構を取り付けた場合、電動バイクと自転車の切り替えを認めるという通達が警察庁より発出され、7月1日に公表された。今回の通達により、道路交通法(道交法)上の解釈が変わり、モビチェンを取り付けたGFRが原動機を作動させない自転車モードで運用する限り、自転車として扱われる。
glafitは、これまで、内閣官房日本経済再生総合事務局(現・成長戦略会議事務局。規制のサンドボックス制度 政府一元窓口)の支援を受け、和歌山市と共同で規制のサンドボックス制度に申請。2019年10月17日に実証計画が認定されていた。これが警察庁にも晴れて認められたかたちとなる。
モビチェン機構を取り付けたGFRでは、電動バイクモードで電源を切り、モビチェンの側面にあるボタンを押しながらナンバープレートを隠すことで自転車モードとなり、逆に自転車モードの状態で同じボタンを押しながらナンバープレートを表示することでバイクモードに切り替わる。モビチェンは電源としてGFR本体の充電池を使用するが、電池切れの際を想定して、モバイルバッテリーなどを電源として使用するためのUSBポートも備える。