「なぜ我々は今、カメラやマスク越しに会話をしているのか──それはわれわれが動物を食すことで不健康になっているからです」
米名門アクセラレーターY Combinatorの成果発表であるデモデイ。昨年夏、コロナ禍でオンライン開催となったそのデモデイでこう言い放ったのは、植物由来の原料で生マグロの代替食品を開発する米国のスタートアップ、KULEANA(クレアナ)の創業者でCEOのJacek Prus氏だ。
デモデイに登壇した198社は各社1枚の資料を用意し、約1分間の短い時間の中でピッチした。トラクション(実績)で投資家の気を引こうとするスタートアップが大半だったが、KULEANAだけは政治的な主張を中心にピッチを構成し、異彩を放った。
当時はまだプロダクトの開発途中だったが、今では全米展開する飲食チェーンがKULEANAのプロダクトを使ったメニューを提供する。起業の背景や代替マグロを開発する理由について、「元々はクレイジーな活動家だった」というPrus氏に話を聞いた。
──起業のきっかけは。