サラリーマンでありながら海外の映画祭でグランプリを受賞した長久允氏。その思考法と脚本術を存分に伝える『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』が発売となりました。佐久間宣行さん、ラランド・サーヤさんも大絶賛の同書から、抜粋・再構成して特別公開します。

脚本の教室Photo: Adobe Stock

タイトルから考えてみる

 いいアイデアが思いつかない。

 そんなとき、ありますよね。

 ここで脚本の裏技のひとつをご紹介します。

 どうしても書けない。そんなときは、もうとにかく何も考えずに書き出してみましょう。

 一番、膨らませやすいのは、タイトルです。

 なので、タイトルから考えちゃってみてはどうでしょうか?

「適当な言葉」を起点にスキルを高める

 たとえば、もう適当な単語の組み合わせのタイトルにしてみて、そこに物語をつけてみましょう。こんな感じ。

『心臓二つ』
『嘘つくことに躊躇がない』
『かつてイルカだった』
『首輪物語』
『サモエド飼ってる叔父さんの』
『クラスの一番ヤバかったやつが警察官になったよ』
『笙の音がするね』
『ディズニーランドの地下で』

 まぁ、ある種のエクササイズみたいなものですが。たとえばこれらのタイトルに合わせて、物語を書いてみるとかね!

 もちろん、自分で考えたタイトルのほうが楽しいとは思います。

 タイトルを考えるという行為だけでも、言語とイメージと物語の関連性を掴んでいくスキルは上がっていくはず。

結果、「あなたにしか作れないもの」になっている

 作風は模倣でもいいと思います。
 忌野清志郎になりきる。甲本ヒロトになりきる。草野のマサムネになりきる。米津玄師になりきる。カネコアヤノになりきる。椎名林檎になりきる。ちゃんみなになりきる。

 いくつもの単語の組み合わせを書くうちに、自分の好きなゾーンに気づくでしょう。

 そうやってたくさん書いたあとに、そのアウトプットから「自分の作風」というものができていくことはあります。

 また、これをとっかかりに、物語を「書き慣れて」いくことが重要です。私は物語を書くのが好きだ、そんな気持ちを高めていくことも大事なマインドセットではあると思います。

 ちなみに、自分の中に大切にしている哲学があるのなら、どんなタイトルにして、どのような設定で書いたとしても、その中で立ち上がる人間関係は、あなたにしか書けない物語になっているはずです。