1号ファンドの組成から約5年半──これまでに1号ファンド(38億円)と2号ファンド(60億円)に加え、SPV(Special Purpose Vehicle)と呼ばれる専用ファンド(SmartHR向けで20億円)、追加投資専用のグロースファンド(27億円)の合計4つのファンドを組成し、約150億円を運用してきたシードステージのベンチャーキャピタル(VC)が「Coral Capital」だ。4つのファンドを通じて、80社以上の国内スタートアップに投資を実行してきた。
そんなCoral Capitalは、さらなるスタートアップへの投資機会を求め、過去の運用総額と同規模の新ファンドを設立した。8月31日、Coral Capitalは総額140億円規模となる3号ファンドの組成を発表した。今回の出資者はPayPal創業者のピーター・ティール氏が率いる米VCのFounders Fund、シンガポールの投資運用会社・Pavilion Capital、みずほ銀行、三菱地所、新生銀行、第一生命、グリー、非公開の国内外の機関投資家や財団などが名を連ねる。
3号ファンドの投資対象は、シード期からシリーズAのフェーズにあるスタートアップで、初回の投資額は1社あたり3000万円から5億円を予定しているとのこと。なお、3号ファンドでは追加投資に関して、最大20億円まで単独で出資できる。
また、ファンドの運用期間は過去のファンド同様に10年に設定されているが、3号ファンドではスタートアップを長期間にわたって支援すべく、最大14年まで延長できるという。創業パートナー兼CEOのジェームズ・ライニー氏は「ファンドの運用期間を最大14年まで延長できるようにすることで、より長期にわたってスタートアップを支援できます。日本からより多くのユニコーン企業を輩出していきたいです」と語る。
仕組み化された「スタートアップ支援」が機関投資家から評価
Coral Capitalはもともと、500 Startups Japanの1号ファンドとしてスタートを切ったVCだ。2019年3月に2号ファンドを組成したタイミングで、現在のファンド名に変更。核融合やロボティクス、バイオなどのディープテックから、SaaSやFintech、D2Cまで、多様な領域のスタートアップに投資してきた。