「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」とともに目にする機会が増えたキーワード「ESG」。最近ではメディアで目にするだけでなく、スタートアップやベンチャーキャピタル関係者の間でも「ESG投資」というキーワードで聞くようになったのではないだろうか。
デジタルガレージ オープンネットワークラボ推進部長/DGインキュベーション Managing Director/D2 Garage 取締役であり、ESG分野への投資に特化したファンド「Open Network Lab・ESG1号 “Earthshotファンド”」を担当する松田信之氏に解説してもらう。
──あらためて「ESG」という言葉について教えて下さい。
ESGとは、「Environment=環境」「Society=社会」「Governance=ガバナンス」の頭文字をとった言葉で、企業がその価値を高めるために考慮すべきことを指し示します。「環境」は気候変動を中心とする地球全体の環境問題について。「社会」は不平等の排除や従業員の健康と安全といった職場環境の向上や地域貢献について。「ガバナンス」は企業の法令遵守や経営の透明性といった企業統治についての内容です。
ESGの考え方そのものは、1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された地球サミットで採択された「Agenda 21」にさかのぼります。その後、日本でも「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」といった言葉で、利益一辺倒ではなく社会への貢献に企業が目を向ける活動が啓蒙されてきたことは記憶に新しいのではないでしょうか。