「日本の横読み漫画には、恋愛、アクション、ラブコメ、スポーツなど、非常に多様なジャンルがあります。一方、ウェブトゥーンはまだレンジが狭い気がしています。子供向け作品など、ウェブトゥーンはまだまだ可能性のあるフォーマットだと思っています」(井上氏)

井上氏は小学館の今後のウェブトゥーン展開については明言しなかった。だが、TOON GATEと並行するかたちで、2022年中のリリースを視野にウェブトゥーンの企画・制作を進めていくという。

2022年以降は“国産ウェブトゥーン”の展開が本格化か

前述のとおり12月3日にはDMM.comがウェブトゥーン市場への参入を表明した。今後はウェブトゥーンの制作スタジオや配信プラットフォームを構築。2022年中にはオリジナルコンテンツを含む、国内外のウェブトゥーンの配信を開始する予定だという。

プラットフォーム構築を目指しているのはDMM.comだけではない。ゲーム会社のアカツキも、グローバルなウェブトゥーンプラットフォームの展開を視野に、LOCKER ROOMなどの国内スタートアップに出資している。また、業界関係者によると、これまでソーシャルゲームなどを手がけてきた複数の国内メガベンチャーもプラットフォームを準備中だという。

今年は国内でも複数のウェブトゥーンスタジオが立ち上がり、本格展開に向けて準備を進めてきた年だった。そして来年はソラジマや小学館、DMM.comを含む、さまざまな日本企業によるウェブトゥーンが市場に投下される見込みだ。国産コンテンツの増加により、ここ日本でもウェブトゥーンの本格的な盛り上がりが期待できるのではないか。