「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。「10年間苦しんできた慢性痛から解放された」「脊柱管狭窄症の診断を受けたが、痛みが和らぎ手術を回避できた!」「7年間不眠症に悩まされてきたが、久しぶりにぐっすり眠れた」「健康的にダイエットできた」など、多くの声が寄せられています。
現在、国内・海外で約15,000名が実践。鍼灸、整体、ヨガを構成した動きで、痛み、コリ、冷え、疲労、不眠、便秘、不定愁訴を解消します。
今回、3分以内で痛みや不調を解決するワークを集めた『すぐできる自力整体』が発売。症状別の「悩み解決ワーク」のほか、じっくりほぐして骨盤調整もできる「4つのコース(動画つき)」を収録。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。
本書より一部を抜粋・編集し、その中身を紹介しましょう。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

「腸活」よりも美と健康に役立つ「2つの習慣」とは? 整体プロが教えたい排泄力アップのコツ

慢性的な便秘に悩む人にオススメしたい「2つの習慣」

 自力整体の生徒さんから「便秘でお腹のハリがつらいです。食物繊維もたっぷり摂っているのにナゼですか?」という質問をいただくことがあります。
 慢性的な便秘に悩まされている人の多くは、「食べすぎ」「食べてすぐ寝る」「間食グセ」「夜食グセ」のどれかが当てはまり、胃腸が疲れています。
 胃腸がはたらきすぎると、大腸の排泄力も落ちてしまいます。たとえば食物繊維をたっぷり摂ったとしても、大腸は渋滞するばかりです。
 ガンコな便秘に悩む人に必要なのは、「何を食べるか」ではなく、「内臓を休息させる時間=食べない時間」をできるだけ長くとり、体を立て直すことです。

 自力整体では、内臓の休息時間を増やす「整食法」をすすめています。この食事法は、ぐっすり熟睡できるため、就寝中の代謝がアップ。すると翌朝の便通がよくなるというわけです。
 胃腸の疲れが気になる方は、「整食法」でおこなう次の「2つの習慣」をしばらく続けてみましょう。

◆「整食法」でおこなう2つの習慣
① 夕食はなるべく寝る3時間前までに終わらせ空腹で寝る
② 朝食は固形物を控え、飲み物・スープ・おかゆなど(ランチや夕食は自由)

(※ただしムリはしないこと)

 早ければ明朝にも大量の便が出て、お腹はスッキリするはずです。

 今回は「整食法」のほかに、『すぐできる自力整体』の中から、便秘でお腹がはって苦しい時の対処法として役立つワークを紹介しましょう。

便秘解消!「鼠径部(そけいぶ)のばし」のワーク

 このワークは、鼠径部をのばし、「腸腰筋」(背中の前側にある筋肉)をほぐすことで、腰椎の間から出ている神経の緊張を解放します。その神経が便を動かし、便秘を解消します。

 画像を見ながらおこなうとわかりやすいでしょう(※画像は『すぐできる自力整体』より)。

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◎「鼠径部ほぐし」のワーク(*この記事の「画像」をご参照ください)
※動作はゆっくり、時間はご自身のペースでおこないましょう

【手順1】
◆ひざ立ちになり、左足は前へ。背筋はまっすぐ
◆両手は左ひざへ。重心をぐ~っと前へ移動。右側の鼠径部をぐ~っとのばす

※メモ:この時、下半身と上半身をつなぐ腸腰筋もほぐれている

【手順2】
◆そのまま右の鼠径部をのばしながら、右の横腹をしばらくマッサージ
※メモ:腸腰筋をほぐすことで腰椎間から出ている神経の緊張も解放。その神経が便を動かす
★転倒しないように十分気をつける

【手順3】
◆反対側も同様におこなう 
※硬い側は長めにおこなう

※『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。

「腸活」よりも美と健康に役立つ「2つの習慣」とは? 整体プロが教えたい排泄力アップのコツ矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗