「テストでいい点が取りたい!」というのは、多くの人が思うことではないでしょうか。ですが、1000人以上の東大生のノートを分析してまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者であり、現役東大生の西岡壱誠氏は、これは明確な目標とは言い難いと語ります。本記事では、西岡氏に「目標設定の仕方」について話を聞きました。
目標設定の仕方が大切
突然ですが、みなさんは「テストでいい点取りたい!」という目標設定についてどう思いますか?
よく学生たちは「次のテストでいい点取りたいんですよね」というようなことを言います。ですが、実はこの目標設定は、あまりよくないものなのです。というかむしろ、東大生の中には「テストでいい点取りたい」と親に言ったら「コラ!」と怒られたと述べる人もいるくらいです。
一体、「テストでいい点取りたい!」の何が悪いのでしょうか?それは、具体性がないことです。
まず、「いい点」って、どれくらいの点数のことなのでしょうか? 70点がいい点という人もいれば、100点じゃないといい点ではないという人もいるでしょう。平均点+10点という人もいれば、「学年で何位」という順位がある場合もあるでしょう。
「いい点」って、実のところ、まったく具体性がない、ふわふわした目標設定でしかないのです。
東大生はどのように目標を決める?
東大生は、目標が「Measurable=測定可能」かどうかをしっかりと考えて、測定可能な数値での目標設定を行います。試験を受ける前には必ず、「TOEICで800点を取りたい」とか「数学のテストで平均点+15点を取りたい」とか、そんな風に数字で目標を設定します。
こうすれば、後から振り返って「達成できたのか、できなかったのか」がわかりやすいのです。
「いい点取りたい」というだけだったら、69点だった時に、「これは、いい点だと言えるのだろうか」「今回のテストは成功だったのだろうか?失敗だったのだろうか?」ということがわからないですよね。具体的な目標設定を行うことは、成功と失敗の明確な基準を設けることにつながります。
明確な基準がない目標は、目標とは言い難いのです。
毎日の勉強の目標も同じです。「英語を頑張る!」「数学を頑張る!」と言っているうちは成績は伸びません。「英語を、何ページから何ページまで頑張る」「そしてテストをして、100点満点中60点取れるようにする」と後から振り返って測定可能な目標設定をしておく人とそうでない人とでは、同じ時間勉強していたとしても大きな差が出てしまします。
社会人の勉強も同じかもしれません。「英語を話せるようになる」と考えているうちは、あまりうまくいきません。なんらかの資格試験をベンチマークにして「TOEICで○点を目指す」としてみたり、「日常会話で〇〇さんのスピードについて行けるようにする」と考えてみたり、なんでもいいので、目標を測定可能な形にすることが求められるのです。みなさんぜひ参考にしてみてください。