投資家が円高に対処しなければならない状況は久しぶりのことだ。7日の円相場の突然の上昇は何かが進行中であることを示唆している。実際、複数の日銀当局者は今週、長年にわたる日本のマイナス金利時代の終わりがとうとう近づいてきたかもしれないとほのめかした。
日銀の植田和男総裁は7日の国会で、自身の職務が新年に一段と「チャレンジング」になるとの見通しを示すとともに、短期金利がマイナスでなくなれば、日銀は政策実行のために幾つかの仕組みを利用できるようになるだろうと示唆した。投資家はこの発言を、プラス圏への金利引き上げが差し迫っていることを示す兆候と受け止めた。
トレーダーたちは日銀の氷見野良三副総裁の6日の発言にも注目した。副総裁は、金利が上がり始めた場合の勝者と敗者に関する理論について大まかに説明した。この当局者2人の発言は、早ければ月内の金融政策決定会合で利上げが決まる可能性があるとの観測を呼び、市場を興奮状態にした。