ヘイリー氏が見せた討論力、米共和党候補指名争いで勢いPhoto:Justin Sullivan/gettyimages

 2024年米大統領選の共和党候補指名を争うニッキー・ヘイリー氏のディベート能力は巧みだが真剣、当意即妙だが実質的。これは類いまれな政治的瞬発力の表れだ。大声で叫んで彼女を論破してやろうとする男たちに取り囲まれたヘイリー氏は、敵を批判し、冷静ではあるが嬉々とした、女性特有の強さを持った攻撃を見せる。彼女は戦闘機のように舞い、ミサイルのように刺す。

 そうした能力によってヘイリー氏は、ほとんど争いと呼ばれるに値しない共和党の大統領候補選びにおいて2位に急浮上している。ただし、1位に大きく水を開けられている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の新たな世論調査によれば、ドナルド・トランプ前大統領が全米の共和党候補者選びで引き続きリードしており、支持率59%と圧倒的優位に立っている。元国連大使でサウスカロライナ州知事も務めたヘイリー氏は15%で2位に食い込み、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏の14%とほぼ並んでいる。他の候補者はいずれも支持率が2桁に届いていない。

12月6日行われた米大統領選共和党候補者討論会で、デサンティス、ラマスワミ両氏はヘイリー氏を侮辱した一方、クリスティー氏は同氏を擁護(英語音声・英語字幕あり)12月6日行われた米大統領選共和党候補者討論会で、デサンティス、ラマスワミ両氏はヘイリー氏を侮辱した一方、クリスティー氏は同氏を擁護(英語音声・英語字幕あり)Photo: Brian Snyder/Reuters