相続時精算課税制度と「レバレッジの効く生命保険」を組み合わせる
相続時精算課税制度と生命保険をうまく組み合わせて、相続税の納税資金を効率よく貯める方法もあります(ただしこれは、財産規模の大きな方向けの対策となります)。それが「相続時精算課税制度を使って贈与されたお金で、レバレッジの効く生命保険に加入する」という方法です。
「レバレッジの効く生命保険」とは、「支払った保険料以上に、将来増えて生命保険金が支払われる」タイプの生命保険のことです。
たとえばAさんが、息子のBさんに、相続時精算課税制度を使って2500万円の贈与をします。Bさんは、Aさんを被保険者とした生命保険に加入します。このとき、「保険料として2500万円支払えば、将来相続が発生したときに保険金が3500万円支払われる」というような「レバレッジの効く」生命保険を選びます。
すると将来、Aさんが亡くなったとき、Bさんは1000万円の儲け(所得)を得ることになります。この1000万円には所得税がかかりますが、生命保険で得た儲け(所得)は他の所得よりも税率が大幅に優遇されます。結果として、相続税の納税資金を効率よく貯められるというわけです。
被保険者の年齢が若ければ若いほど、大きなレバレッジを生む生命保険に加入することができます。2024年以降は、相続時精算課税制度と生命保険をうまく組み合わせて、将来の相続税の納税資金を効率よく準備しましょう。
(本原稿は橘慶太著『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』から一部抜粋・追加加筆したものです)