新NISAでよくある「10の誤解」…知らずに運用は大損のモト写真はイメージです Photo:PIXTA

2024年から始まる新しいNISA(少額投資非課税制度)について、私のところに寄せられる様々な人からの質問を見ていると、案外、多くの誤解があるようです。そこで、よくある新NISAに関する誤解について、あらためて10項目を挙げて解説していきます。(確定拠出年金アナリスト 大江加代)

※この記事は『新NISAとiDeCoで資産倍増 人生100年時代の新しいお金の増やし方』(大江加代・日経BP社)から一部を抜粋・再編集したものです。

新NISAにまつわる「10の誤解」
知らずに放置は大損のモト

【誤解1】
 積み立て投資は年間120万円しかできない

 新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つが設けられ、前者の利用限度額が年間120万円となります。これを見て、「積み立て投資が年間120万円しかできないのか?」と思う人が多いようなのですが、これは勘違いです。

 つみたて投資枠は年間120万円ですが、成長投資枠を使って積み立てをしても構いません。ですから、年間投資可能額の360万円をすべて積み立て投資に使ってもいいのです。

【誤解2】
つみたて投資枠での投資は、毎月積み立てないといけない

 そんなことはありません。最低、年2回積み立てればOKです。これは現在のつみたてNISAでも同じです。したがって毎月ではなく、年2回のボーナス時期だけの積み立てということも可能です。

 買い付けるタイミングの分散ということで毎日積み立てができる金融機関もありますが、日本経済新聞の編集委員である田村正之さんの分析によると、2022年末までの過去10年間では毎日と毎月の買い付けで運用結果は大差がないとのことです。

 給与所得者であれば、給料の中から毎月積み立てていくのが資金フローと合っていると思われ、利用しやすいのではないでしょうか。