③確定申告の準備は?
これまで免税事業者でインボイスに登録した場合は、確定申告の準備をしておきましょう。12月決算ならもうすぐです。
消費税の申告の準備、下調べ、会計ソフトの対応を確認しておきましょう。その際に2割特例(本来免税事業者の場合)を検討することを忘れないようにしたいものです。
2割特例では、売上の消費税の2割で納める消費税を計算します。12月決算なら、10月から12月の3ヵ月の売上が対象です。たとえば、330万円なら、売上の消費税30万円×20%=6万円となります。
もし簡易課税の届け出を出していて、サービス業なら、30万円×50%=15万円です。出していなければ原則課税となり、経費に金額により納税額が変わります。経費の消費税が10万円なら、売上の消費税30万円-経費の消費税10万円=20万円です。
また、経理上、消費税がかかっているかかかっていないかの判別も必要となります(簡易課税、2割特例なら売上のみ。原則課税なら売上・経費ともに)。
こういったはじめてのことがあるわけですので、決算から税務申告までの期間で時間の余力も必要です。そして、納税が増えるということも念頭に、お金を確認しましょう。消費税分、稼ぐ必要があるということです。
決算がまだ先である方も、今の時点でどのくらいの納税か、決算のときにどのくらいになりそうかを計算しておきましょう。
(本原稿は井ノ上陽一著『【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本』から一部抜粋、追加加筆したものです)