米インフレは落ち着いてきている。だが連邦準備制度理事会(FRB)の政策担当者が利下げを検討し始めるには、さらにインフレ率は低下する必要がある。恐らくそうなるかもしれない。米労働省が12日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%の上昇だった。前年同月比の上昇率は3.1%となり、2021年4月以降で最も低い伸びだった。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.3%上昇。前年同月比では4%上昇と、10月と並んで2021年9月以降で最も伸びが低かった。つまり状況は大きく進展している。CPIの総合指数は2022年6月に9.1%でピークアウト、コア指数は同年9月の6%がピークだった。ただしFRBの物価目標は2%であり、FRBが重視する商務省発表のインフレ指標(個人消費支出=PCE=価格指数)はCPIより若干落ち着いた数字になる傾向があるものの、今回のCPI鈍化をもって危険が去った合図とは受け止められない。
米インフレ鈍化が続きそうな理由
今年CPIはかなり落ち着いたが、利下げにはまだ十分ではない
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