自社株買い市場が減速する中、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)と米航空・防衛大手RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)が各100億ドル(約1兆4550億円)の自社株買い計画を発表したことは、その金額だけでなく不可逆性でも際立っている。両社は今後現金が必要になることはないか確かめた方がいい。GMとRTXはこの数週間に銀行と加速型自社株買い(ASR)契約を結んだ。ASRでは当該企業が自社株買いの対価を一括で支払う必要がある。投資調査会社ベリティデータによると、GMとRTXの契約のおかげで、10-12月期のASRは新型コロナウイルスの流行開始以降で2番目の規模となりそうだ。米医療保険大手シグナも10日、同業ヒューマナとの合併を断念したことに伴い、100億ドルの自社株買いプログラムの一環として2024年1-3月期にASRを予定していると発表した。