米連邦準備制度理事会(FRB)には二つの使命がある。物価と雇用だ。だが2年間、前者だけが重要であるかのように振る舞い、景気後退を招くことも承知の上で急速に金利を引き上げてきた。今週、その方針を転換した。ジェローム・パウエルFRB議長は13日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の記者会見で「両方の使命が重要だという状況に戻りつつある」とし「今後の政策決定では、このことを強く念頭に置くことになる」と語った。この転換は、FRBに景気回復を下支えする用意があることを意味する。転換によって景気後退入りがなくなるわけではないが、その可能性は大幅に低くなる。表向きは、FRBはまだインフレ率に満足しておらず、パウエル氏は依然高すぎると発言している。表向きは、FRBは今後数回の会合では利下げよりも利上げする可能性のほうが高いとしている。