日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

「ミスではありません。この資料はフィクションです。実在の人物や団体、正確性などとは関係ありません」
“I didn’t make a mistake. This document is a work of fiction and has no relation to any real people, groups, or factual accuracy.” 

 ドラマや漫画でおなじみのテロップ。「昨日のあれ、俺のことでしょ?」や「うちの組の名前を勝手に使うな」的な、フィクションを都合よく解釈する変な人たちによるクレームが実際に寄せられたために掲載されるようになったそうです。会議においては、議論そっちのけで資料のささいなミスを見つけることに命をかける暇人もいるので、円滑な進行のためにも記載をおすすめします。

準備不足を補わない資料作成

「作者急病につき休載します」と資料に記載し、会議をドタキャンした。
I wrote ‘The author is ill and will be on hiatus’ in the materials and cancelled the meeting at the last minute.

 海外にも多くのファンを抱える日本の漫画やアニメは、内閣府が掲げるクールジャパン戦略の最右翼を担う存在ですが、その制作環境の過酷さはクールさのかけらもない、努力と汗にまみれた苦ジャパンそのもの。そんな彼らの最後の切り札が「作者急病」です。心して使いましょう。

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「肘に違和感があるのでコピーを取れません」
“Something is wrong with my elbow, so I can’t make a copy.”

 野球選手にとって肘と言えば違和感、違和感と言えば肘といわれるくらい、肘には違和感がつきものです。ダルビッシュや大谷が受けたトミー・ジョン手術も肘の手術です。術後2年間はコピーが取れなくなるので慎重な判断を。

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「余った資料は、スタッフが美味しくいただきました」
“Our staff ingested the leftover meeting materials eagerly.”

「一緒に走ろう」や「全然勉強してない」「絶対何もしないから」など、日本語には伝統的に信用度ゼロの言い回しが、数多く存在します。例文の「スタッフがうんぬん」もそのうちの一つ。誰も信じないにもかかわらず、とりあえず一文入れておくだけでコンプラ的に丸く収まるので重宝します。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)