日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行される。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

「安心してください。これくらいのバグなら自然治癒力で治ります」
“Don’t worry. A bug like this will heal itself naturally.”

 すべての動物に備わる自然治癒力。中でも最も強力な力をもつのが、ナメック星人……。失礼、ウーパールーパーです。日本では焼きそばのCMに起用され一躍、人気者に。愛らしい見た目とは裏腹に、ノムさんもびっくりの驚異的な再生能力を持っています。手足以外に、心臓を含む各種臓器、脊髄や脳、目の水晶体まで再生することから、再生医療の研究対象になり、毛髪に不安をもつ中年男性からも熱い注目を浴びているとか。

自分に甘いエンジニアのフレーズ

「このプログラムがなぜ動いているのか、書いた私自身でさえもわかりません」
“Even though I’m the one who wrote this program, I have no idea why it’s running.”

 アスリートが極限まで集中力を高めると体感できるという「ゾーン」体験。身体感覚が研ぎ澄まされ、無意識に身体が動くそうです。プログラマーは、疲労がピークに達すると別のゾーンにダイブし、「書いた本人もなぜ動くのかわからない」知の深淵のような状況に陥ります。

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「すみません、上司の暴走を止める最適なアルゴリズムを開発できませんでした」
“I apologize, I couldn’t develop the optimal algorithm to curb my boss’s reckless behavior.”

 アルゴリズムとは、プログラムで問題を解決するための手順を表す言葉で、ざっくばらんにいうと、「物事を行うときの方法」です。上司の暴走を止めるために、「硬いもので殴るのか」はたまた「熱湯をかけるのか」みたいな物騒なアイデアもアルゴリズムの一種です。

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私はソースコードの最後に、「この先は、君の力で確かめてくれ」と付け加えた。
At the end of the source code, I added a sentence saying, “It’s now up to you to check what lies ahead.”

 オレオレ詐欺や保険金詐欺から、コンビニの底上げ弁当まで、残念ながら世の中には弱者を食い物にする詐欺的行為があふれています。例文の「この先~」はゲームの攻略本で時々見られる文章で、「攻略」を信じた純粋な少年たちに社会の厳しさを教えるのに一役買っています。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)