今のカメラ業界は、アクションカメラ、デジタルカメラ、スマホ、あらゆるジャンルで競争が激化しているからこそ、消費者の方だけを向いて、シンプルに「消費者が本当に欲しているものは何か」ひたすら考えました。スマホよりも持ち運びやすく、ワンタッチで気軽に撮影できるカメラが必要だと思い、「Insta360 GO」を作りました。アクションカメラはかさばるし、重くて、とても毎日は持ち歩けないですからね。

20代で“リコー超え”中国人起業家、次の仕掛けは 「親指サイズのAIカメラ」ウォータースポーツでも使用できる(提供:Insta360)

――小型化が最大のポイントですか?

 サイズが小さいだけでなく、動画の最新機能がすべて備わっていることです。

 解像度は高いまま、スピード感のあるシーンやアクションにも対応できます。また、数秒に1コマずつ撮影したものをつなげるコマ送り(タイムラプス)撮影も、ボタン1つでできます。

 もう一つ、大きな特徴が「AI編集機能」ですね。

(AIが自動編集した動画がこちら)

――AI編集機能というのは?

 映像内の人物の喜怒哀楽を認識できるんです。人物の表情を解析して、良いシーンを見つけることができます。

 例えば、旅行に行ったときの使い方も簡単です。旅行の始まりに、スイッチをオンにします。あとは一日中カメラをつけたままにしておくだけです。その日の終わりに、テーマを選べば、あとはAIが自動で編集します。一日で一番テーマに合うシーンを勝手にAIが編集してくれて、BGMまで選んでくれます。

 この機能は今後、「Insta360 EVO」や「ONE X」など、他の製品でも使用できるようにアップデートします。

――これまでの製品と比べて、よりユーザーが広がりそうな革新的な製品ですね。

 そもそも「Insta360 GO」は、360度カメラではないですしね。値段も圧倒的に安いですし、ファッションとしても楽しめるように、ケースの柄も充実させています。旅行やスポーツを記録することを楽しむ若年層に定着したらうれしいです。

ハッキングでいたずら?やんちゃな学生時代

――JKさんご自身のことも教えていただきたいのですが、そもそも起業したきっかけを教えてください。

「自分が好きなことをやりたい」「お金持ちになりたい」「社会貢献がしたい」という3つの夢があり、これをすべてかなえるには、必然的に起業の道しかありませんでした。好きなことを思う存分やりたい性格なんです(笑)。

――今の自分のルーツは何だと思いますか。

 起業するというビジョンが明確になったのは、大学に入ってからです。真剣に将来を考えたときに、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツの生き方に憧れを抱きました。個人だと到達できない社会貢献や夢を、組織を作ることで実現しているからです。