今後、MaaSの活用を前提とした都市計画の必要性については、複数のスピーカーが提言しており、駐車場や車道を減らして公園などの公共スペースを豊かにする計画を進めるNPO活動があることも紹介された。自動運転シャトルを店舗やオフィスに利用したり、自動運転のトレーラーハウスを開発して移動しながらどこでも自由に住めるようにしたりするというユニークな提案もあった。
こうして見ると欧州のMaaSは、利便性もさることながらそれ以上に、都市の人口集中や気候変動、エネルギー問題の解消といった社会課題解決の観点から積極的な取り組みを進めていることが伺える。移動だけに焦点をあてがちな日本のMaaSに比べると一歩先の未来を見ている欧米の動きは、ぜひとも参考にしていきたいところだ。