米ヘッジファンド業界の3団体は12日、空売りポジションの情報開示を強化する新規則を巡り、米証券取引委員会(SEC)を提訴した。これは雪崩を打ったように相次いでいる、SECに対する法的措置の一つだ。これらはSECの評判を損なうとともに、2024年の米国市場に不透明感を漂わせることになるだろう。そうした事態を回避するために、SECは直ちに軌道修正する必要がある。ヘッジファンド側が提訴の根拠としているのは、SECが定めた二つの新たな情報開示規則(一つは空売り、もう一つは証券貸しに関するもの)の間に密接な関連があるのに、両規則は真っ向から矛盾する内容だということだ。連邦裁判所は長年、互いに似通った政策課題について異なる取り扱いをする規則を政府機関が制定する場合、それを無効とする判断を示してきた。矛盾する措置は、連邦行政手続法に基づき「恣意(しい)的で気まぐれ」だと見なされることがその理由だ。米首都ワシントンの連邦巡回控訴裁判所は8月、SECがビットコイン上場投資信託(ETF)の申請を却下したのは恣意的で気まぐれだとの判断を下した。SECが既にビットコイン先物ETFの同様の申請を認可していたからだ。
【寄稿】米SECの情報開示規則巡る自己矛盾
空売りと証券貸しの新規則についてヘッジファンドが提訴
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