2024年1月からついに開始される「新NISA」。この機会をきっかけに投資をはじめてみようと考えている人も多いのではないだろうか。そんな新NISAは、実は初心者が投資をはじめるのに最適な制度と言える。だが、落とし穴がないわけではない。目先の利益に執着してしまったり、経済の動向を見て焦って投資をやめてしまったりする人も少なくない。
そんな課題を解決するために発刊されたのが『新しいNISA投資の思考法』だ。本書はこれまで37万人の資産運用を見続けてきたウェルスナビ・CEOの柴山和久氏が投資に必要な考え方を1冊にまとめたまさに決定版だ。本記事では本文の一部を抜粋してお届けする。

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NISAとiDeCoの違いは?

 よくNISAと並んで紹介される制度が、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)です。iDeCoも、NISAと同様に、長期の資産形成を支援するために、税制上の優遇を受けられる制度です。

 NISAでは、投資で得た利益に対して、本来は約20%かかる税金が免除されます。iDeCoでは、利益だけでなく、投資するお金(掛け金=投資元本)に対しても税金が軽減されるというメリットがあります。投資したお金の全額が所得税の所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減されます*。

*所得税の税率は、所得によって5~45%の範囲の税率が軽減されます。住民税の税率は、一律10%軽減されます。

 さらに、iDeCoは、年金を受け取るときも、一定の金額までは非課税となる非常にお得な制度と言えます。