Z世代にとって健康は
「心が平和で穏やかなこと」 

 しかし、「ミレニアル世代(1981~1996年生まれで、2000年以降に成人している世代)」やその次の「Z世代(1997~2012年生まれ)」の人々は、「モノ」を所有するより体験を通して心の充足を図る「コト」の消費を重視する傾向が顕著です。

 2021年にZ世代に行ったある調査によると、「あなたにとって『健康』の意味とは何ですか?」という質問に対して7割以上が「病気がないこと」と回答した一方で、「心が平和で穏やかなこと」「幸せを感じること」などメンタルヘルスに関わる回答を選んだ人も半数以上にのぼっていました。

 Z世代については、カラダの健康と同様に心の健康を重視する傾向が強いと言われています。「健康」を手に入れるために、日常生活の中での人間関係や食といったライフルーティンに着目して健康アクションを行っています。

 ウェルビーイングは多面的であるため、さまざまな受け取られ方、解釈のされ方をしていますが、私は、シンプルに「ウェルビーイングとは、自分らしく生きること」ととらえています。精神的にも肉体的にも「自分らしさ」を意識すれば、自分に負荷をかけない持続性のある人生を実現できると思うからです。

 ウェルビーイングにおいて重要なポイントの一つが多様性の受容です。幸福の在り方は人それぞれ異なります。そのため一つの幸せ像を規定してすべての人に押し付けることは難しく一人ひとりの異なるウェルビーイングがあることを前提とすることは当然と言えるでしょう。