青空とビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

60歳で定年を迎えて仕事を引退(リタイア)する。多くの日本人が考えるこの人生プランよりも早くリタイアする、「アーリーリタイア」が注目を集めています。投資で手持ち資金を増やしながら暮らす「FIRE」なら、もっと早く、30~40代で仕事を辞めても暮らしていける。そういう生き方に魅力を感じる人が増えているようです。もしも本当に30代でアーリーリタイア&FIREするとしたら、いくら資金が必要なのでしょうか?シミュレーションしてみました。(アステル/フリーライター マキ・ユウタ)

「60歳で定年」以外の人生設計~アーリーリタイア

 これまで日本では、60~65歳前後の「定年」を退職のタイミングとする人生設計が一般的でした。今も多くの人が、人生のプランにおいて定年を重要なポイントと捉えています。しかしその一方で、終身雇用制度の崩壊とともに、一度入社した企業や組織に定年まで勤め続けるという人生設計は、現代では実現が難しくなっています。さらに、フリーランスなど正規雇用にこだわらない働き方の選択肢が増え、会社員としての生涯を前提とした人生設計を見直す人も増加しています。

 定年を中心に据えた人生設計は、「会社員として働く」という前提に基づいています。対照的に、起業家やフリーランスには定年という概念が存在せず、リタイアのタイミングは個人の判断に委ねられています。

 このように人生のプランが多様化する中、最近では「アーリーリタイア」や「FIRE」といった生き方も注目されています。しかし、「人生100年時代」といわれる現代において、アーリーリタイアを実現するためには、綿密な計画が不可欠です。