こうした観察は、気づきの訓練でもあります。生活のとらえ方、考え方を変えて、ところどころで振り子の紐を調整しながら、自分が本調子になるまで待つことが抵抗力を強めます。働くことの内容を整理して、暴走することを一時やめ、一つのことを、きちっとやる。これがまだ出来るかどうか確かめることが大切なのです。

ストレスを味方につけて
生命力を強化する

 買い物を例にとって話をしましたが、仕事でも片付けごとでも同じです。全部を一気にやろうとしないことです。「今日はここまで」と小さな目標を立てて、それを達成して喜びましょう。若いときはこんなの一晩徹夜すればできたのにと嘆かない。

 若いときなら出来たと思うのも、かなりの場合当人の錯覚が多いのです。若いころは今ほど重い責任がなかったし、仕事の量は多くても、生活の雑用は少なかったかもしれません。そういうことを忘れている場合もあります。

 「無理がきかなくなった」と嘆くより、「より時間がかかるようになった」と事実を自覚することが大切です。無理すれば追い付くと思わず、3ヵ月前からコツコツと準備をしてイベントに立ち向かいましょう。こうしたこともストレスへの抵抗力を強くしていきます。

 こう言うと「私はストレスに弱いので、やりたいこともあったけど全部あきらめま~す」と、ずーっと何もしないで無気力人間になってしまわれる方が時々いるのですが、これはダメなんです。ストレスに気付くことと、あきらめることの違いは、説明しなくてもわかっていただけると思いますが。

 ストレスへの抵抗力を強め、たとえ物忘れぐらいのことでもコーピングして生きていくという作業は、ストレスを味方につけて、生命力を強化していくことになります。嘆かずに強く生きていくという考え方です。何もせずにぼーっとしていいのではありません。年齢を重ねても、自分の容量(自分にできることの限界点)をしっかり把握して、自分の生命力を実感しながら生きてい人が、ストレスコントロールを知っている人です。

 「どうしてあの人あんな歳で、仕事をこなしていられるんだろう」と言う人がいたら、ストレスに対する抵抗力を訓練しているに違いありません。