日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

「通わなくなった美容室のスタッフがいるので、駅に近づけません」
“I can’t approach the station because there’s an employee from the beauty salon I no longer go to.”

 気まずい存在の代表格「通わなくなった美容室のスタッフ」。やれ「前髪がどう」だとか「襟足で遊んでみて」だとか、面倒な注文に付き合ってくれた、あなたのよきパートナーも、通うのをやめたとたんに「髪の切れ目が縁の切れ目」となり、むしろできるだけ会いたくない存在に成り果てます。最近は「通わなくなったネイルサロンのスタッフ」も増えています。

駅への苦手意識が増大するフレーズ

「改札に嫌われたので、ホームに入れません」
“I can’t get onto the platform because the ticket gate denied me entry.”

“逆サイ”の改札から攻めてみては?

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「親同士が友達だけど一度も話したことのない顔見知りがいるので、迂回します」
“I’ll have to take a detour because there’s an acquaintance whose parents know mine well, but I’ve never spoken to him.”

「全国子ども泣かせ会議」で、不動の第1位を獲得しそうなのが「親同士は仲がいいけど、本人たちはそうでもない」です。似たような関係に、彼女同士は仲よし、妻同士は仲よし、コンビのツッコミ同士は仲よし、飼い主同士は仲よし、などがあります。

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「蚊柱があるので改札口に近づけません」
“I can’t approach the ticket gate because there is a swarm of mosquitoes.”

 夏の風物詩、蚊柱。蚊柱だけど、実は「蚊」の柱ではないことをご存じでしょうか? 蚊柱はユスリカとよばれる蚊によく似た虫のオスが、繁殖期のメスへの求愛行動で集まって作られるそうです(アース製薬「害虫なるほど知恵袋」より)。蚊と違って吸血しませんが、ユスリカの求愛を邪魔したいだけで突っ込むのはやめましょう。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)