コロナの感染拡大による在宅勤務や生活スタイルの変化により、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISA口座を開設する動きが急増した。そして、2024年からは新NISAがスタートする。本連載では、新NISAをきっかけに投資や資産形成を始めてみたいという人に向けて、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説していく。新NISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)の内容を基に、一部を抜粋して公開する。「新NISAってなに?」というビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすく説明するので、ぜひ最後までお付き合いください。

【厳選ファンド1】国内外の株式・債券にバランス良く分散投資するインデックスファンドPhoto: Adobe Stock

世界経済インデックスファンド(三井住友トラスト・アセットマネジメント)

 これは、日本・先進国・新興国の株式と債券へ、バランス良く分散投資するバランス型ファンド。投資対象は国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、新興国株式、新興国債券のそれぞれインデックスファンドです。

 一般的に国内外の株式や債券に分散投資するファンドでは、株式と債券を合わせた国内資産が半分近くを占めるケースが多く見られますが、このファンドは、国内資産への投資比率が全体の9%に抑えられています。

 不必要なまでに国内資産への傾斜がきついバランス型ファンドが多い中、この資産配分比率には好感が持てます。株式と債券への資産配分比率は、ほぼ50%対50%です。

 2019年は資金の流出入にややバラツキが見られるものの、2021年以降は月間単位で資金が流出している月はありません。

 なお、同ファンドは新NISA口座だけでなく一般口座での購入も可能ですが、一部金融機関は購入に際して購入時手数料を徴収するため、もし購入するのであれば、新NISAを活用したほうがいいでしょう。

中野 晴啓(なかの・はるひろ)
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年明治大学商学部卒業。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任、2023年6月に退任。
2023年9月1日なかのアセットマネジメントを設立。
全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。
著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。