コロナの感染拡大による在宅勤務や生活スタイルの変化により、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISA口座を開設する動きが急増した。そして、2024年からは新NISAがスタートする。本連載では、新NISAをきっかけに投資や資産形成を始めてみたいという人に向けて、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説していく。『新NISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)の内容を基に、一部を抜粋して公開する。「新NISAってなに?」というビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすく説明するので、ぜひ最後までお付き合いください。
LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド
(PayPayアセットマネジメント)
このファンドは、国内外の株式が57%、国内外の債券が33%という資産配分比率なので、やや株式のリスクを多めに取ります。
なお、世界のREIT(不動産投資信託)や不動産関連株式にも投資します。国別の投資比率は米国が高めで、全資産クラス合計で約50%が米国資産で占められています。
設定日は2015年12月なので、運用開始から約8年が経過しています。
純資産総額が約133億円と、やや小粒ですが、2019年以降の資金流出入を月次で見ても、一度も資金流出している月が無く、しかも月を追うごとに月次の資金流入額が増加傾向をたどっています。
これは投資信託の運用にとっては望ましい状況といっても良いでしょう。それを受け、設定来のインベスターリターンは、トータルリターンを上回っています。
他のバランス型ファンドに比べてユニークなのは、組入資産の中に「米国短期インフレ連動国債」が入っている点です。組入比率も10・2%ですから、ある程度高めです。
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年明治大学商学部卒業。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任、2023年6月に退任。
2023年9月1日なかのアセットマネジメントを設立。
全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。
著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。