「あの人なんであんなことを言ってきたんだろう」「この仕事、終わらなかったらどうしよう……」など、寝ようとするといろいろな考えが頭の中にわいてしまって眠れないことはないだろうか。そんな、早く眠りたいのに、グルグル思考が止まらない人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。多数の著作を持つ人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏の本作では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている本書。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して「眠くなる方法」を紹介する。(構成/照宮遼子)
いつも最悪な未来を想像してしまう…
「杞憂に終わる」という言葉があるように、心配事の9割は起こらないと頭ではわかりつつも、つい最悪なことを想像してしまうことはないだろうか?
こういうタイプの人は、まだ起きてもいないことにものすごく恐怖を感じていたり、不安になっていたりする。
そのため、日中のストレスをうまく処理できず、悪夢を見ることが多い。
今回は、最悪な未来を想像して眠れない人でも、頭の中で唱えるだけでぐっすり眠れるようになる、魔法の暗示フレーズを紹介する。
「夢まかせ」で不安を払拭
「よけいなことを言ってしまった。あの人に嫌われるかもしれない」「この仕事が私のせいでうまくいかなかったらどうしよう」と、まだ起きてもいない最悪な出来事を想像してしまうことがある。
将来のことを想像して、不安感でいっぱいになってしまう人は、頭の中で「夢まかせ」と唱えてみよう。
ストレスの処理を自分で意識的にやろうとするのではなく、夢にまかせてみる。
すると、最悪だと思っていた現実が、自分の都合のいいように流れていくように感じられ、悪夢も見なくなる。
たとえ、今どんなに不安や不満を抱えていても、「夢まかせ」というフレーズを唱えるだけで、不快な感情が消えていくから不思議だ。
眠れるだけではない驚きの効果
日常的な不安だけではなく、「もし災害や戦争が起きたら」など、どんどん悪いことに想像が広がってしまいがちなある女性。
周囲からも「もっと現実を見て生活したら?」と馬鹿にされていた女性は、通っていた心理カウンセラーから教えてもらった「夢まかせ」というフレーズを唱えてみることにした。
このフレーズを唱えると、不安感が消えて夜もよく眠れるようになるらしい。
はじめは、「夢に任せてもしかたない」と思っていたが、唱えているうちに、「私ってすべてのストレスを自分で処理しようとしている?」と不思議な気持ちになってきた。
「すべてのストレスが処理されたら、人間じゃなくなる」なんて思っているうちに、いつの間にか眠りの世界に入っていけたのだ。
そうして何度も唱えながら眠ってみると、話を聞いてくれなかった人たちが災害に備え出すなど、おもしろいことが起きたという。
周囲とバランスを取ろうとする脳
脳科学では、人の脳は常に他人とつながって、コミュニケーションを取っているという説があり、人間はこの「脳のネットワーク」を通じて、おたがいにバランスを取り合っているのだ。
たとえば、その場で焦っている人がいるときに、「まあまあ、そんなに焦らなくても」と周りの人が焦りをおさめようとするシーンを一度は見たことがあるだろう。
自分がストレスを感じていると、相手はバランスを自動的に取って、楽観的に考えて何もしない状態になる。
逆にこちらがストレスを処理できるようになると、相手のほうが楽観的に考えられなくなり、ストレス解消のために動き出すという仕組みだ。
眠る前に「夢まかせ」のフレーズを唱えると、翌朝は頭がスッキリして、ダラダラしてなかなか手をつけられなかったことも、テキパキ進められるから不思議だ。
本当に夢の中ですべてのストレスが処理されているのかもしれない……。そんなふうに思えるようになると、「夢まかせ」と唱えて眠るのが楽しみになり、自分にとって都合がいい現実がつくり出されていく。
不安感が強い人は、ものは試しに、ぜひこのフレーズを唱えてみてほしい。
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♦︎『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、日頃から感じている不安やストレスを消して、ぐっすり眠る方法を紹介しています。