ずっとグルグル考え続けてしまう、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。無意識に働きかける「暗示」を唱えることで、眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、著者の大嶋信頼氏に「なかなか消えないストレス・不安を手放す方法」について聞いてみた。

「あれってどういう意味?」いちいち他人の言動に振り回されなくなるにはPhoto: Adobe Stock

「自己中心的」だと思われたかも!?

人と会話をしているときに「〇〇さんって自分勝手でいいですよね」と言われて、「ハハハ」と愛想笑いをしたものの、「えぇ! それってどういう意味?」と聞きたくなってしまうことがある。

私のことを自己中心的な人だと思っている? それはどこの言動で?
自分の言動を振り返ってしまい、「私って自己中心的で自分勝手なのかな?」と気分がどんどん下がっていく。

これまでの経験から「あれってどういう意味?」と万が一でも相手に説明を求めたら、絶対に傷つくことを言われるから、聞きたくない。

どうしたら、いちいち他人の言動に振り回されなくなるのでしょうか。

他人の「ちょっとした言葉」に振り回されてしまう人の共通点

普通の人にこの話をしたら、「そんなの聞き流せばいいじゃん!」と笑って返されてしまいます。

そんなことができたらこんなに悩んでいないよ! と言ってやりたくなります。

「気にしすぎなんじゃないの?」とか「自意識過剰なんじゃないの?」などと言われても、頭の中で他人の言動に振り回される現実はまったく変わりません。

この「あれってどういう意味?」と気になってしまう仕組みが、とても興味深いのです。

じつは、「人のことなんて気にしなければいいじゃない!」と他人の言動がまったく気にならない人は、「赤ちゃんの頃にお母さんにしっかり抱きしめられた」という経験がある人です。

一方で、人の言動が気になっていちいちその意味を考えて振り回されてしまう人は、「赤ちゃんの頃にお母さんに抱きしめられた割合が少ない人」の可能性があるのです。

赤ちゃんの時期に抱きしめられた経験が少ない?

赤ちゃんの頃、母親に抱きしめてほしいときに抱きしめられていた人は、「自分を大切にしてくれる人を大切にする」ことができますが、抱きしめられた経験が少ない人は「自分を大切にする人を拒絶して、自分を傷つける人に近づいてしまう」のです。

言い換えると、しっかり抱きしめられて育った人は「いい感じ!」という「快」に注目するのですが、抱きしめられた経験が少ない人は「嫌な感じ」という「不快」に注目してしまう傾向があるのです。

「自分の体のにおいをかぐクセがあるかどうか」で判別

赤ちゃんの頃の話は写真や動画でしか記録が残っていないので、「自分が母親に抱きしめられて育ったのか、どっちかわからない!」となるかもしれませんが、面白い判別方法があります。

それは、「自分の体のにおいをかいでしまうクセがあるかどうか?」です。

たとえば、靴下を脱いだとき、くさいとわかっているのに、「クサ!」と言いながらついかいでしまう。他人のにおいじゃなくて、自分のくさいにおいをついかいでしまうことをしちゃう人は「もしかして、赤ちゃんの頃にお母さんにあまり抱きしめられなかったのかも!」という可能性があります。

心理学的な定義は「優しく抱きしめられたかどうか」ですが、私は「お母さんと話が通じ合えたか?」ということがポイントだと思っています。

いくら抱きしめられても、お母さんと話が通じ合えなかったのであれば、「抱きしめられなかった」と同じこと。

お母さんと話が通じ合える、というのはお母さんがちゃんと話を聞いてくれて「すごいね!」とその話の価値を認めてくれることです。

それがなかった人は「自分のにおいをかぎにいってしまう」。

自分の行動のクセに気づくと、「不快」を求めなくなる

足のにおいなど、自分のくさいにおいをかいでしまう行動はクセになります。

でも、興味深いのは、においをかぎにいこうとしたときに、「あ! お母さんと話が通じ合えなかったからくさいと思っているのに、においをかいじゃうんだ」と気づいてあげると、そのクセが止まったりするんです。

人間って、その原因がちゃんと腑に落ちると、その行動が必要なくなったりします。

それと同じように「あれってどういう意味?」と他人の言動が気になったら、「あ! 自分のにおいをかぎにいこうとしている!」と思うと止まります。

なぜなら、それは「お母さんから抱きしめられなかったから、“不快”を探しにいってしまう」という特徴だから。そう、他人の言動を気にしてしまうのは、自分のくさいにおいをかぎにいっているのと同じ。

「どこかくさいところがあるんじゃないか?」とクンクンとかぎ回ってしまって、どんどんみじめな気持ちになってしまう。

でも「あの意味は?」と考えたくなったときに、「自分のにおいをかぎにいっているんだ」と思ってみると、次第にそのクセが抜けていき、気にならなくなります。

そして、「不快」を求めなくなるから、どんどん自己肯定感が上がっていき、本来の自分の姿へと戻っていけるのです。

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♦︎大嶋信頼さん著書の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、日頃から感じている不安やストレスを消し、ぐっすり眠る方法を紹介しています。