ずっとグルグル考え続けてしまう、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。無意識に働きかける「暗示」を唱えることで、眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、著者の大嶋信頼氏に「なかなか消えないストレス・不安を手放す方法」について聞いてみた。

「自分ばかりが損している?」と思ったときに、人生を好転させるたった1つの考え方とはPhoto: Adobe Stock

「どうして自分だけ…」

久しぶりに学生時代の友だちに会うと、自分はうだつがあがらないのに、友だちは大学の先生になっていたり、医師になって世界中を飛び回っていたり、さらには知事で活躍したりしている。

そんな友人の活躍を見たときに、「自分はたいしてみんなと能力が変わらないはずなのに、結局何も成し遂げらていない」と思ってしまう。

同僚の仕事を手伝っても、自分は周りからあまり評価されず、同僚はお客さんから感謝されて、差し入れをたくさんもらっている。

喜んでいる同僚の様子を見て、「自分ばかり損している」感覚に陥る。

こんなふうに「自分だけがうまくいっていない」と思ったときに、どうすればこの状況から抜け出せるのでしょうか。

「いつも自分は損している」感覚の奥底にあるものとは?

「私はどうせ報われない」「いつも損している」「あの人はラッキーだな」など、「自分ばかりが貧乏くじを引いてる感覚」を抱く場合、一般的には「他の人と比較するからいけないんだ!」と言われてしまいます。

上には上がいるから比較したらキリがなくて、「私は貧乏くじばかりでかわいそう」と自己憐憫をしたってしょうがないじゃない! と言われてしまうわけです。

でも、この「自分ばかり貧乏くじを引いている」という感覚は、実はもっと深いんです。

それは「自分が貧乏くじを引いてあげることで、他の人が当たりくじを引く確率が上がる」という感覚が背後にあったりするからです。

これを「自己犠牲」と言います。

自分が犠牲になることで、他の人が貧乏くじを引かずにすむ。

そして、本人は気づいていなくても、「自分が貧乏くじを引いて犠牲になることで、他の人が救われる」という感覚が背後に隠れていたりするのです。

自分が損をするかわりに、誰かが救われた経験がある!?

自己犠牲は幼い頃に、両親やきょうだいとの関係で生まれる感覚です。

「自分が親に怒られたおかげで、きょうだいは両親に怒られないですんだ」などの体験があると、大人になってからも、いろいろな場面で自己犠牲という高尚なことをするようになって、貧乏くじを引いて周りの人を救うような行動をしてしまうのです。

自分ばかりが損していると思ってしまう人は、「自分が損な役回りを引き受けたおかげで、家族がうまくいった」と思ったことがないか、振り返ってみましょう。

幼少期に家族のために自己犠牲をした、というような記憶はないかもしれませんが、家族のことをイメージしたときに「今のあの人たちがあるのは私のおかげ」とか「私がいなかったら家族はもっと大変な状態になっていた」などと思ったことがある人は、幼い頃に家族のためにあえて貧乏くじを引いて家族を救ったことがある人です。

お母さんのために自分がバカなふりをすることで、「未熟なあの子のために、私は母親としてもっとしっかりしなきゃ!」とお母さんの自己肯定感を高めてあげた。

危なっかしいきょうだいのために、自分がわざと親に怒られるような失敗をして、きょうだいが「お姉さんのようにみじめにはなりたくない」と注意を払うようになって、堅実な人生を歩むようになる。

無意識の行動に気づくと、自己犠牲から抜け出せる

自己犠牲の人は「相手を救わなきゃ」と意識してやっているわけではなくて、幼い頃の純粋な無意識がそのまま残った状態になっています。

無意識のうちに自分が損な役回りを引き受けて、周りの人を救う、ということをやって、「自分ばかり貧乏くじを引いている」と嘆いているわけです。

貧乏くじを引いていることを嘆けば嘆くほど、陰になっている自分の反対側にいる人たちを救っていることになるわけです。

こんな自己犠牲の人が、「自分が損することで、誰かを救ってきたのかもしれない」と少しでも自覚が持てたときに、「あぁ! もう、十分に自己犠牲を払ってたくさんの人を救ってきたかも!」とふっきれるんです。

すると、いつも誰かに自己犠牲になってしまう自分を卒業できる。

そして、今度は自分のために生きられるようになります。

自分を犠牲にして誰かを幸せにしてきたぶん、今度は自分のために生きて、自分を幸せにする人生を歩み出せるのです。

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♦︎大嶋信頼さん著書の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、日頃から感じている不安やストレスを消して、ぐっすり眠る方法を紹介しています。