日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

「せっかく座れたので終点まで乗ってから出勤します」
“I will come to work after riding to the last station since I’ve finally gotten a seat.”

 我が国の電車の混雑ぶりに、もはや説明の必要などないでしょう。本数の増加、テレワークや時差出勤、「2階建て通勤電車」など、玉石混交のアイデアが登場しては消え、抜本的な解決には至っていません。なお、「ラッシュアワー」という言葉は大正時代からあり、当時は路面電車でモボやモガたちが混雑にあえいでいたそうです。100年以上も続く社会問題。うっかり座れようものなら、その日は有休にしてもいいくらいです。

電車通勤の非定番フレーズ

「年下の運転士に身を委ねるのが嫌なので、1本遅らせます」
“Since I don’t want to entrust my life to a driver younger than me, I’ll take the next train.”

 電車の運転士に対してはそうは思いませんが、パイロットが年下のときはちょっと気になります。いずれにせよ、このような価値観ですと、年とともに乗れる交通機関が減っていくこと請け合いです。

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「車内では言語中枢をマナーモードに設定のうえ、会話はお控えください」
“Please set the speech center of your brain to silent mode and refrain from talking in the train.”

 人体を構成する器官の中でも、最も謎に満ちている「脳」。まだわかっていないことが圧倒的に多いそうです。幸い、言語中枢の場所は特定されています。その辺りを長押しすればマナーモードが設定されますので、快適な車内環境のためにご協力をお願いいたします。

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「電車のチェーンが外れてしまったので、直してから向かいます」
“The train’s chain has come off, so I’ll go into work after fixing it.”

 技術が進んだ現代において、我々は冷蔵庫や電子レンジ一つ満足に自分で直すことができません。そもそも、どのような原理で動いているのか理解すらしていないでしょう。いわんや電車をや。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)